TECHNIQUE
マツエクの「持ち」保存版|持ちが悪い時はこれを考える
お客様がマツエクに1番求めるのは、何だと思いますか?
仕上がりも持ちも両方良いのがベストではありますが、よりお客様の満足度につながりやすいのは“持ちの良さ”であるケースが多いです。
実際に、どれだけ綺麗な仕上がりでも2週間で取れてしまうと、次のご来店にはつながりにくくなります。
それくらい、持ちはエクステにおいて特に重視したい課題です。
そして持ちは、“技術のせい”だけでは決まりません。
- 前処理
- グルー
- 自まつげの土台
- お客様の生活習慣
- 毛周期
まで、複数の要因が重なって決まります。
この記事は、持ちに関わる要因を一枚で見直せる保存版です。
- 持ちの目安は「4〜5週で半分以上」。120本なら60本残すのを目指す
- 毛周期の自然脱落と、防げる早期脱落の見分け方
- 持ちは技術だけでなく「土台(乾燥・生活習慣)」が大事
そもそも「持ちが良い」とは?
来店周期は、自まつげが伸びてしまうことも考えて、4週、長くても5週で案内するのがオススメです。
持ちの良い技術やLEDもあり、2ヶ月持つ方もいますが、伸びによる負担を考えると長すぎる周期はおすすめしません。
数字で見る「持ちの基準」
判断の目安は次の通りです。
- 4週で来店し、伸びた分を取り除いて半分以上残っていればOK(4週で半分が平均くらい)
- 5週で半分くらい残っていれば「持ちが良い」
具体的な数字にすると分かりやすくなります。
例えば120本つけたお客様なら、来店時に80本残っていれば「かなり持ちが良い」、伸びた分を取り直して60本残せるのが一つの基準です(ノーマルグルーの目安)。
120本なら、来店時に80本残っていれば good、取り直して60本残せるのが目指したい基準です。
なお、接着面がしっかり取れるメニュー(ブリスラップなど)では、通常グルーとLEDで持ちの差を感じないこともあります。
LEDで持ちが良くなるかはお客様のライフスタイル(汗のかきやすさ等)にもより、持ちは個人差が非常に大きいことは前提に置きましょう。
「2週間で取れる」は、技術面のケースが意外と多い
「どうしても2週間で取れてしまう」という方は、自分でエクステを触って取ってしまうケースを除けば、ほとんどいない印象です。
例外として、ホルモン剤など服用している薬の影響で、まつげが一気に抜けやすくなる方がいるという話はあります。
裏を返せば、早期脱落の多くは技術・前処理・土台で改善できる余地が大きい、ということです。
「毛周期の自然脱落」と「防げる早期脱落」を見分ける
毛周期は、まつげが生え変わり、新しい毛が多く生えてきている時期のことです。
この2つは戻ってきたときの状態で切り分けます。
- 残っているエクステを触るとポロポロ取れるなら、前処理不足・お客様の化粧品による劣化・技術側の問題が考えられます。
- 1本もスルスルとは取れないのに数が少なく、すき間がぽっかり空いている場合は、その部分の自まつげを見ます。
短い毛が増えているなら、毛周期で抜けて新しい毛が入ってきたサインと考えられます。
毛周期による自然脱落の可能性が高いです。 - 2週間で残り0本なら、毛周期に加えて技術不足も考えられます(お客様の扱い・基礎化粧品の影響もあるため一概には言えません)。
要は「戻ってきた時にどういう状態か」で判断が変わります。
まず残った毛を触る。
ここが出発点です。
持ちは「土台」で決まる
土台が悪い=まつげが乾燥している
持ちが悪いお客様は、季節に関係なく、前段階のまつげの土台が悪いことが多いです。
そして土台が悪い方は、まつげが乾燥しているケースが多いです。
普通のグルーはまつげの水分量によって硬化するため、水分状態で持続性が変わります。
ハリ・コシのある毛は付きやすく、弾力がなく毛先が細い“乾燥・ダメージ毛”は取れやすい傾向があります。
まず基礎化粧品・日焼け止め・生理などを確認します。
来店前に「塗ってきたもの」を確認
だから、持ちが悪いお客様には、まず来店前の状態を確認します。
- 来店前日の夜〜当日に、美容液・オイルクレンジング・アイクリーム・コーティングなど、まつげにコーティングされるものをつけていないか。
「明日マツエクだから」と、普段使わないオイルクレンジングで思いっきり洗ってくる方も実際にいます。 - 日焼け止め(朝のスプレータイプは特に注意が必要です)。
これは“お直しする・しない”以前の前提です。
持ちが悪いお客様に考えられる要因は、まず「お客様側の事前仕込み」と「施術者側の前処理」。
その上で、グルーの量が少ない・根元が浮いていた、といった技術以前の問題を確認します。
事前に分かれば「保険」になる
ただ、お客様は事前に言い出しにくいこともあります。
だからこそ前処理やアイシャンプー(NU'AL)で状態を整えるのが有効で、NU'ALはまさにこの“土台を変える”ために生まれたアイテムです。
事前に分かれば対策できます。
アイシャンプーをする、本数を多めにつけておく、LEDでつける。
その上で「これだけ対策しても100%は取り切れないことがあるので、いつもより持ちが悪くなる可能性があります」と正直に伝えておく。
こうしておくと、たとえお直しになっても「下手だった」とは思われず、むしろ信頼につながります。
これは施術者にとっての“保険”でもあります。
生理中・付きの悪さも土台のサイン
女性ホルモンの関係で、生理中はまつげが乾燥しやすく、抜けやすい時期です。
持ちが悪かった要因として「生理中でしたか?」というヒアリングも有効です。
施術中に「付きが悪い(ツルツル滑る・巻き込みが多い)」と感じたら、それも土台のサイン。
乾燥・生理・事前の塗布などの可能性が高いので、「生理ですか」「まつげ乾燥していますか」「今日、何か塗ってきましたか」と確認します。
ツルツル滑る時点で“何かしら原因がある”と捉え、黙って「付きが悪かった」で返さず、コーティングや保湿系の美容液をすすめるなど次につなげます。
グルーの相性と扱いで持ちは変わる
同じグルーでも、Aさんが使うと持ちが良く、Bさんが使うと悪い、ということはよくあります。
これは、グルーが悪いというより、そのアイリストの手の速さ(作業スピード)との相性による部分も考えられます。
- 手順によっても変わります。
仕分けしてからエクステを取ってすぐ付ける人と、エクステを取ってグルーを付けてから仕分けを始める人とでは、装着までの時間が違います。 - グルーメーカーごとに1秒硬化・2〜3秒硬化などがあり、グルーを取ってから自まつげに装着するまでの秒数で、硬化がスタートしてしまっているかが変わります。
- グルーの量や接着面の広さも、持ちに影響しやすい要因の一つです。
前処理のやり方を見直す(NG集)
前処理の丁寧さで持ちは大きく変わります。
注意するポイントを挙げます。
- 綿棒で拭く/綿棒で挟んで拭く:根元がちゃんと拭き取れず、毛先だけ拭いていることが多いです。
エクステが付くのは根元なので、ここが拭けていないと持ちに影響しやすくなります。 - アイシャンプーの流しが甘い:すすぎ残しがあると、持ちに影響することがあります。
- 熱いお湯で流すと、まつげが乾燥しやすくなります。
- エタノールが多く含まれる前処理剤:汚れは取れる反面、まつげの内部・表面が乾燥しやすくなります。
もともと乾燥している方には負担が大きいので、持ちが悪いときは前処理剤の見直しも必要です。
エクステ選びと「持ち×デザイン」のバランス
長さ・太さの目安
長さが自まつげの1.5倍を超えてくると自まつげへの負担になりやすく、それによって毛根に負荷がかかり、抜けてしまうことで持ちが悪くなる場合があります。
太さも、自まつげに対して太すぎると同様に持ちへ影響することがあります。
目的を聞いてから提案する
デザイン希望と持ちがぶつかるときは、ヒアリングで整理します。
まず、近日中に大事なイベント(結婚式など)があるか、マツエクの目的は何かを聞きます。
その上で、「いたわり重視/持ち・扱いやすさ重視/その場の見た目重視」のどれを優先したいかを必ず聞きます。
多くの方は「できるだけ持たせたい・扱いやすい・ばらつきにくい」を選ぶことが多いので、「今回は短めの長さでつけますね」と伝えやすくなります。
それでも「長いのが絶対いい」という方には、デメリットを伝えた上でつけたり、細い毛には付けない・本数を少なめにするなどの提案や考慮もすることが多いです。
信頼関係がまだ無いとき(新規)の進め方
新規で「このまつげに13mm?」というケースもあります。
その場合は、なぜ13mmをつけているのかを聞きます。
聞いてみると、「13mmだとバサバサに見える」と思っていたり、理由がよく分からないままつけている方も多く、実は短くしてカールを上げたほうがぱっちり見えることもあるので、その方向で案内することも多いです。
初回は様子を見て写真を撮る
初回はまずそのままつけるケースも多いです。
「正直この長さは負担がかかりやすいと思いますが、今までつけられていたなら様子を見させてください」と伝え、ばらつきや抜け具合を確認します。
まつげの状態を写真に収め、「次回もまつげの状態を見せてください」とお願いすると、次回予約にもつながります。
信頼は、こうした一つひとつの説明の積み重ねで育ちます。
持ちは、グルーを変えれば解決ではなく、複合要因で決まります。
平均の目安(4〜5週で半分以上、120本なら60本残す)を共有し、毛周期か早期脱落かを戻り時の状態で見極める。
そして基礎化粧品・乾燥・生理といった土台を先に確認し、前処理・グルー・デザインバランスを整える。
事前に対策できれば、説明もしやすく、お客様の理解と信頼も得やすくなります。
まずは“土台の見落とし”をなくすことから始めましょう。