SALON MANAGEMENT
オーナーがいない店舗で起こる問題と対策
2店舗目や、自分がいつもいない店舗に対して、こんなことが気になりませんか?
- ちゃんと出勤しているか
- 手が空いている時間に何をしているか
- 決めたやり方が守られているか
- お客様への対応がそろっているか
こうした心配は、たいてい「どう管理するか」の相談として出てきます。
ただ、離れた店舗でうまくいっているサロンほど、管理の道具を増やしているわけではない印象です。
先に決めているのは、任せる前の条件です。
条件が合っていれば、オーナーが行く回数は月に1、2回でも回りますし、店長を置かない形も成立します。
今回は、遠方の店舗を任せる前に決めておきたい5つを整理します。
- ①誰を置くか
- ②働き方の形
- ③募集で何を伝えるか
- ④どこを超えたら口を出すか
- ⑤何をそろえて何を任せるか
離れた店舗で起きやすいこと
まず、よく起こることを先に見ておきます。
- 途中で店を離れていて、店内にいない時間がある
- お客様の予約枠を、実際にかかる時間より長めに取っている
- 手が空いている時間に、私語が増える
- 決めたやり方が、少しずつ自己流になっていく
多いのは、立ち上げの時期です。
お客様がまだ少なく、時間が余りやすいからです。
そして、この時期にオーナーが通う回数を増やしても、根本は変わりにくいです。
回数で押さえようとすると、オーナーの時間がどこまでも取られていきます。
①誰を置くか
離れた店舗で起きることの多くは、置いた人で決まります。
おすすめは、本店で育った人を送り出す形です。
接客や技術の土台ができているので、行った先で判断に迷いにくくなります。
サロンの考え方が入っているので、細かい確認も少なくなります。
反対に、採用したばかりの人だけで離れた店舗を回すのは、どのサロンでも難しいところだと思います。
行けない場所で、ゼロから教えることになるからです。
「人を採ってから、離れた店舗を任せる」ではなく、「送り出せる人がいるかどうかで、出す時期を決める」という順番になります。
②働き方の形で、必要な管理の量が変わる
雇用か業務委託かで、発生する管理の量は変わります。
雇用の場合、在庫やお金の管理、商材の発注、シフトの管理といった仕事が出てきます。
そのため、誰かが定期的に見に行く形になりやすいです。
業務委託の方に入ってもらう場合は、細かい指示を出さない形が取りやすくなります。
どちらがよいという話ではありません。
雇用には、こういう強みがあります。
- 育てられる
- 長く一緒にいてもらえる
- サロンの基準を入れやすい
ここで持ち帰れるのは、働き方の形を決めた段階で、そのあと必要になる管理の量も決まっているという見方です。
いま管理に手が回らないのであれば、その前提に合う形を選ぶ、という考え方ができます。
③募集で何を伝えるかで、来る人が決まる
業務委託の方に入ってもらう場合、大きく2つのタイプに分かれます。
しっかり稼ぎたい方と、ゆるく働きたい方です。
どちらが良い悪いではありませんが、オーナーが近くにいない店舗と合うのは前者のケースが多いです。
指示がなくても動くので、管理が軽くなります。
見極めの目安は3つです。
- 将来独立したいと話す方
- 希望する売上や収入の金額がはっきりしている方
- すでに業務委託で働いた経験がある方
反対に、注意しておきたいのは、自分のお店があるものの、そこだけでは成り立たないため掛け持ちしたいという形です。
お客様の行き先が動く可能性があるので、条件を先に決めておく必要があります。
そして、募集の文面が来る人のタイプを決めます。
集客はサロン側でもできる範囲でやるけれど、自分でも動いてほしい。
こう先に書いておくと、その前提で応募する方が増えます。
離れた店舗で「言っても動かない」という悩みが出るとき、原因は関わり方ではなく、募集の段階にあるのかもしれません。
④どこを超えたら口を出すかを決める
離れた店舗のことは、見えるところだけが目につきます。
目につきやすいのは、こういうところです。
- 日曜日に1人しか入っていない
- 半日で上がっている
- 手が空いている時間が長い
気にする範囲を決めていないと、見えたものすべてが気になります。
そこで、ラインを1本引いておく形がおすすめです。
たとえば、赤字にならなければよい、という置き方があります。
そのほかに見るなら、このあたりです。
- お客様からの声
- 次回予約の動き
- 仕上がりの写真
見るところを決めておけば、それより手前は見なくて済みます。
細かく口を出すほど、その店舗の判断は止まります。
任せるというのは、見ないところを決めることでもあります。
⑤何をそろえて、何を任せるか
技術や接客の方向性は、迎えたときの研修で伝えます。
そこから先を全部そろえようとすると、確認の手間が増えていきます。
土台だけそろえて、あとはその人の持ち味に任せる形の方が、離れた店舗では続きやすいです。
そろえておきたいのは、こういうところです。
- カウンセリングで確認する項目
- トラブルが起きたときの連絡の順番
- お客様への説明で外せない内容
反対に任せやすいのは、こういうところです。
- デザインの提案の仕方
- 会話の作り方
- 自分のお客様の予約の組み方
どこをそろえるかが決まっていれば、離れていても見るところが絞れます。
離れていても接点は作れる
会う回数が少なくても、接点は作れます。
勉強会の日に本店へ集まってもらう形が、いちばん組みやすいです。
離れた店舗を半日にするか休みにして、技術のチェックや新メニューの共有をします。
集まる理由が技術なので、参加する側にも目的が伝わりますし、その場で話す時間も生まれます。
日々の連絡は、用件のやりとりから雑談につながる形で十分です。
会えていないスタッフには、見ているよと伝わる一文を入れておくと印象が変わります。
技術や接客の確認は、写真や動画でもできます。
仕上がりの写真を見て気になるところを伝える、次のお客様で気をつけることを1つ決める、という形です。
数字は全店・全員を同じ形でそろえる
離れているほど、様子は見えにくくなります。
そのぶん、数字をそろえておくと、外から確かめられます。
そろえる項目は、このあたりです。
- 売上
- 目標に対する達成率
- 稼働率
- 次回予約率
- リピート率
働き方の形に関係なく、同じ項目で出しておくのがおすすめです。
見えないから細かく聞く、ではなく、見えないところは数字でそろえる。
この形にしておくと、口を出す回数を増やさずに済みます。
まとめ
離れた店舗でつまずくときは、関わり方より前の段階に原因があることが多いです。
- ①誰を置くか
- ②働き方の形
- ③募集で何を伝えるか
- ④どこを超えたら口を出すか
- ⑤何をそろえて何を任せるか
この5つのうち、まだ決まっていないものはどれでしょうか。
次の店舗を考えているなら、出す前にここを決めておくと、あとの時間が変わってきます。
よくある質問
Q. 遠方の店舗には、どれくらいの頻度で行くべきですか?
置いた人と決めごとが合っていれば、月に1、2回でも回っているサロンもあります。
通う回数を増やすより、任せる前に条件を決めておく方が影響が大きいです。
Q. 新しく採用した人だけで、離れた店舗を任せても大丈夫ですか?
行けない場所でゼロから教えることになるので、難しいところだと思います。
本店で育った人を送り出して、空いた本店に新しい方を迎える順番の方が組みやすいです。
Q. 雇用と業務委託、離れた店舗ではどちらがいいですか?
どちらが良いという話ではなく、必要になる管理の量が変わります。
雇用は在庫やお金、発注などの管理が発生するため、誰かが定期的に見に行く形になりやすいです。
いま管理に手が回らない場合は、その前提に合う形を選ぶ考え方ができます。
Q. 離れた店舗のスタッフと、どう関わればいいですか?
勉強会の日に本店へ集まってもらう形が組みやすいです。
普段は、用件のやりとりに一言添える形と、写真や動画での確認を組み合わせると、離れていても技術や接客に関われます。